下肢のしびれがあったら
下肢のしびれの原因に動脈硬化性や下肢静脈瘤があります。
- 血管には酸素が豊富な血液を心臓から体の隅々にまで運ぶ動脈と心臓に血液を戻す静脈とがあります。
動脈硬化が原因の場合
- 動脈硬化は年齢とともに進行します。進行の程度は人によって違います。
- 体の中心にある大動脈に動脈硬化が進と膨れたまま戻らなくなり瘤(こぶ)の状態になります。
- これが動脈瘤です。逆に手足や脳などに向かう動脈は動脈硬化で血液の通り道が細くなり十分な血液を送れなくなってしまいます。
- 歩いているとふくらはぎやお尻の筋肉が痛くなり、しばらく休むとまた歩ける症状を間欠性跛行といいます。
- この場合まず足の血圧と腕の血圧を比較する検査(ABI検査)を行います。この検査で異常があれば超音波で血管の状態をみます。
- 狭窄(狭くなる)や閉塞(つまる)が疑われれば造影剤を使ったCT検査で詳しく検査をします。
静脈瘤が原因の場合
- 足から心臓に戻る血管は筋肉の中を走行する深部静脈(見えません)と表面から見える表在静脈があります。
- 表在静脈に大きく股の付け根から太ももの内側~足関節の内側まで続く大伏在静脈と膝裏からふくらはぎにかけて存在する小伏在静脈があります。
- 深部静脈は筋肉の収縮で血液を揉み出すことで重力に逆らって血液を心臓に送り返します。表在静脈は浅いところを走り、血液が逆流しないように弁があります。
- 長時間の立ち仕事をされる方、出産後などにこの弁に力が加わることで弁の機能が悪くなり逆流することで静脈に血液がたまるようになります。
- このことが原因で静脈が拡張します。血流が悪くなることで血栓を作ると痛みが出たり(血栓性静脈炎)皮膚の色が変わったり(色素沈着)皮膚潰瘍を合併したりします。
- これを一次性静脈瘤といい、圧迫療法や場合によって手術を行うことがあります。
- 深部静脈に血栓ができてその回り道として表在静脈が拡張する場合を二次性静脈瘤といい、こちらは手術の適応とはなりません。
- 二次性の場合は、血栓が心臓から肺に飛んでいく場合(肺塞栓症)があるので血栓を作りにくくする薬を内服してもらう場合があります。
- 当院ではまず静脈の腫れ具合を確認してから超音波検査でその原因を確認します。逆流があっても静脈が拡張していなかったり症状がない場合は圧迫療法を行い経過を見ます。
しびれがあるという方、気軽にご相談ください。
主な疾患と治療
下肢閉塞性動脈硬化症 | |||
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下肢閉塞性 動脈硬化症 |
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原因 | 足の血管の動脈硬化が起こると、血管狭窄や閉塞する下肢閉塞性動脈硬化症になります。 糖尿病・脂質異常症・高血圧症・喫煙・高尿酸血症・慢性腎臓病・肥満等の生活習慣病などが原因でと考えられ、 全身に進行すると、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞などと合併しやすい病気になります。 | ||
症状 |
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検査 |
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下肢静脈瘤 | |||
下肢静脈瘤 | |||
原因 | 体をめぐる血管には一旦回収した場所に再び血液が戻っていかないように効率よく血液を回収するため静脈には血液の逆流を防ぐ弁がついています。 主に、この弁の機能異常で本来心臓に向かって上へ上へと流れるはずの足の静脈血が逆流してしまい、血液がたまることで静脈がコブ状になり、下肢静脈瘤が起こります。 | ||
症状 |
主な初期症状として、長時間立ち仕事をした後や夕方に起こる足の痛みや重さ、だるさ、むくみなどがあります。この場合、立ち仕事の休憩時間に足を上げて休むと症状が和らぎます。
症状が進んでくると、
蛇行した太い血管がボコボコ浮き上がり、皮膚が色素沈着を起こし、重症化すると湿疹をくり返しできて治りにくくなり、 脂肪皮膚硬化症をはじめとする「うっ滞性皮膚炎」を合併します。 さらに症状が進むとそれ以上重症化すると治療が困難になり、完治まで何年もかかる場合があります。 また皮膚がただれて潰瘍ができる可能性があります。うっ滞性皮膚炎や潰瘍を合併した下肢静脈瘤でも治療はできますが、 回復まで時間がかかりますし、皮膚に残った後が消えなくなってしまう場合もあります。 |
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検査 | 下肢静脈瘤 は担当医によって適切な検査が行われます。
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治療 | 下肢静脈瘤 には主に次のような治療薬が用いられます。
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心臓弁脈症 | |||
心臓の4つの部屋である右心房、右心室、左心房、左心室に存在している血液の逆流を防ぐ弁に障害が起き、血流が悪くなる病気です。 弁がうまく開かなくなるものを狭窄症、逆に閉じなくなるものを閉鎖不全症といいます。 また障害の種類によって、大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症・狭窄症、三尖弁閉鎖不全症など、複数の病気に分かれます。 | |||
心臓弁脈症 | |||
原因 | 先天的な弁の変形のほか、動脈硬化、リウマチ熱の後遺症、二尖弁やマルファン症候群などの先天性疾患、大動脈炎(大動脈の炎症)、感染性心内膜炎(弁の細菌感染)や梅毒などの感染症、外傷などがあります。 ほかに加齢、感染症、外傷、リウマチ熱の後遺症、心筋梗塞などにより、発症します。 | ||
症状 |
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検査 | |||
高血圧症 | |||
一般的に、収縮期血圧が135㎜Hg以上、拡張期血圧が85㎜Hg以上のとき、高血圧といわれます。 血圧は、心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と、血管の太さ(正確には血管内径)・血管壁の弾力性によって決まります。 血液の量が多ければ血管の壁には強い圧力がかかり、高血圧になります。 また、末梢の血管がなにかしらの理由で収縮したり、または血管が硬く細くなると血圧が上がります。 | |||
高血圧症 | |||
原因 |
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症状 | 多少血圧が高くても、自覚症状がないのがふつうです。血圧がかなり高いときは、頭痛やめまい、肩こりなどが起きやすくなります。 しかし、こういった症状は血圧とは関係なしによく現れるものですから、高血圧は自覚症状があてにならない病気といえます。 だからこそ症状があるなしに関わらず、検査・治療を受ける必要があるのです。 | ||
治療 | 高血圧の人の大部分は、血圧を上げる原因を特定できない「本態性高血圧」というタイプです。 腎臓や神経系などの何らかの遺伝的な異常に、塩分の摂りすぎや過食などの生活習慣・環境の要因が加わって起こります。 患者さんの数は少ないのですが、血圧を高くする明らかな原因があって高血圧になっている場合もあり、「二次性高血圧」といいます。 腎臓の病気や内分泌の病気などが該当します。二次性高血圧では多くの場合、その原因となっている病気を治療すると、血圧が下がります。 |
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